フランス発「パンオショコラ」とは？食べ方や作り方、有名店などを解説

朝食やおやつの定番として世界中で愛されているパン・オ・ショコラ。フランスで生まれたこのパンは、サクサクのクロワッサン生地とチョコレートの組み合わせが絶妙です。

この記事では、パン・オ・ショコラの特徴や食べ方、おすすめの有名店までを詳しく解説していきます。

パン・オ・ショコラとは

クロワッサン生地とチョコレートの組み合わせにこだわった伝統的なフランスのパンについて、その特徴や歴史、基本的な定義を解説していきます。

フランス発のチョコ入りクロワッサン

パン・オ・ショコラは1830年代にフランスで誕生したチョコレート入りのパンです。

元々は子どものおやつとしてパンにチョコレートを入れたのが始まりとされています。その後、パン職人たちが試行錯誤を重ね、現在のような洗練された形に進化してきました。

フランスのパン屋では、クロワッサンの隣に並べられるほどの定番商品となっており、朝食やおやつとして欠かせない存在となっています。フランス菓子の中でも特に人気が高く、観光客にも人気の一品として知られています。

チョコレートクロワッサンとの違い

パン・オ・ショコラは「四角い形に成型したクロワッサン生地の中に、二筋のチョコレートが詰められている」という明確な定義があります。一方、チョコレートクロワッサンは三日月型で、チョコレートは一筋入っているのが特徴です。

製法も異なり、パン・オ・ショコラは生地を幾重にも折り込んでから四角く成形するのに対し、チョコレートクロワッサンは三日月型に成形してからチョコレートを巻き込みます。また、チョコレートの量や配置にも違いがあり、パン・オ・ショコラの方がチョコレートの風味をしっかりと感じられるでしょう。

見た目は似ていますが、それぞれに異なる魅力を持つ別のパンとして親しまれています。

ショコラティーヌとの違い

パン・オ・ショコラはフランス北部での呼び方で、南部ではショコラティーヌと呼ばれています。この呼び方の違いは単なる方言の違いではなく、その地域の文化やアイデンティティと深く結びついています。

2018年にはこの呼び方の違いが国民議会で取り上げられるほど、フランス人にとって重要な文化。特にボルドーやトゥールーズなどの南西部では、地域の誇りとしてショコラティーヌという呼び方にこだわりを持っています。

味や作り方に違いはありませんが、地域によって呼び名が異なることは覚えておくと良いでしょう。旅行の際には、その土地の呼び方を使うことで、より現地の人々と親しく交流できるでしょう。

フランスでのパン・オ・ショコラ

次に、フランス人の日常に深く根付いているパン・オ・ショコラの食文化と、地域による呼び方の違いについて解説していきます。

朝食やおやつの定番

フランスではパン屋でクロワッサンと並んで販売されているパン・オ・ショコラ。温かい状態で提供されることが多く、パン屋によっては注文を受けてからオーブンで温めて提供します。

朝のカフェでは、エスプレッソやカフェオレと一緒に楽しむ人々の姿が日常的に見。また、学校帰りの子どもたちのおやつとしても親しまれており、午後3時頃になると多くのパン屋で賑わいます。パン文化が根付いているフランスならではの、温かみのある販売スタイルが特徴です。

地域によって呼び方が異なる

フランス北部では「パン・オ・ショコラ」、南西部のボルドーやトゥールーズでは「ショコラティーヌ」と呼ばれています。南部のお店で「パン・オ・ショコラください」と注文すると、店主から怪訝な顔をされることもあるほど、地域によって呼び方へのこだわりが強いのが特徴。

この違いは長年の議論の的となっており、各地域の人々のパンへの愛着と誇りを象徴しています。観光客は現地の呼び方を使うことで、より深い文化体験ができるでしょう。

フランス流パン・オ・ショコラの作り方

自宅でパンオショコラを作りたいと思う人もいるでしょう。ここでは、本場フランスの味を再現するための材料と手順、おいしく作るためのポイントを解説していきます。

材料

• フランスパン用強力粉: 500g
• フランス産発酵バター: 250g
• 塩: 10g
• 砂糖: 60g
• ドライイースト: 10g
• 水: 240ml
• チョコレート: 高カカオ含有量のもの 200g
• 卵(塗り用): 1個

分量はお好みで調整してください

手順

• イーストを水で溶かし、強力粉・砂糖・塩と合わせて生地を作る
• 第一次発酵を1時間行う
• 発酵バターを薄く延ばし、生地で包み込む
• 3回折り込みを行い、生地を伸ばす
• 四角形に切り分ける
• チョコレートを2本ずつ巻き込む
• 35分ほど二次発酵させる
• 180度のオーブンで15-20分焼成する

ポイント

生地を折る回数は、層が詰まりすぎず、かといってフワフワになりすぎない絶妙な加減が必要です。折り込みの際は生地と発酵バターの温度管理が重要で、両者の硬さを同じくらいにすることできれいな層が作れます。

チョコレートは生地との調和を考えて選び、強すぎない味わいのものを使用することがおすすめです。また、焼成時の温度管理も重要で、発酵バターの層がきれいに仕上がるよう、オーブンの予熱は必ず行いましょう。

パン・オ・ショコラの食べ方

次に、本場フランスで親しまれているパン・オ・ショコラのおいしい食べ方について、温め方やドリンクとの組み合わせを解説していきます。

焼きたての食感を楽しむ

フランスのパン屋では温めた状態で提供されるのが一般的です。

家庭でも電子レンジやトースターで軽く温めることで、サクサクの食感とトロけるチョコレートを楽しめます。温め過ぎると生地が固くなってしまうため、中のチョコレートが少し柔らかくなる程度に温めるのがポイントです。

朝食に楽しむ場合は、オーブンで2-3分程度温めることで、本場さながらの香ばしい香りと食感を楽しめますよ。フランスではパン屋で購入してすぐに食べる人も多く、その場合は温めなくても十分美味しく味わえます。

コーヒーやホットチョコレートと合わせる

朝食やおやつの時間に、温かい飲み物と一緒に楽しむのがフランス流です。

特にカフェオレやホットチョコレートとの相性が抜群で、チョコレートの風味をより一層引き立てます。フランスの伝統的なカフェでは、大きめのカフェオレのカップにパン・オ・ショコラを浸して食べる人も。

エスプレッソと合わせれば、チョコレートの苦みと甘みのバランスを楽しめます。また、休日の朝にはフレッシュジュースと組み合わせるのも人気で、爽やかな酸味がパン・オ・ショコラの甘さを引き立てます。

本場の味や見た目も楽しめる！パン・オ・ショコラが有名なお店5選

日本でも本場の味わいを楽しめる、こだわりのパン・オ・ショコラを提供するベーカリーを紹介します。

GONTRAN CHERRIER

渋谷にある本場フランスの味を追求するベーカリー。クロワッサン生地にフランス産発酵バターを贅沢に使用し、本場さながらの食感と香りを楽しめます。

パリに本店を持つゴントランシェリエは、伝統的なレシピを守りながらも現代的なアレンジを加えた商品作りで知られています。朝一番の焼き立ては特に人気があり、早い時間から行列ができることも。サクサクの生地としっとりとしたチョコレートの絶妙なバランスが特徴的です。

BLUE POPPY Bakery

二子玉川の人気店で、パン・オ・ショコラだけで3〜4種類が並びます。約20種類のチョコレートの中から、日替わりで2〜4種類を選んで作られており、それぞれ異なる味わいを楽しめるのが特徴です。

シェフの山口哲也さんは、ニューヨークでの経験を活かし、「Bread Bazaar」というコンセプトのもと、賑やかで楽しい雰囲気のパン作りを展開しています。ホワイトチョコレートを使用した特別版など、独創的なパン・オ・ショコラも人気です。

ジョエルロブション

高級フレンチレストランとして知られるジョエルロブションのベーカリーでは、厳選された材料を使用した本格的なパン・オ・ショコラを味わえます。渋谷ヒカリエや新宿NEWoManなど、都内の複数店舗で購入可能です。

フランス本国から直輸入した最高級発酵バターと、厳選されたチョコレートを使用することで、洗練された味わいを実現しています。朝一番で焼き上がる出来立ては特におすすめで、香り高く、上品な甘さが特徴です。

MONICA

表参道の『MONICA』では、まるで芸術作品のような美しいパン・オ・ショコラを提供しています。中のチョコレートにはホンジュラス産のクーベルチュールとヘーゼルナッツのペーストを使用し、独自の味わいを作り出しています。

“夢心地なふかふかの枕”をイメージした見た目が特徴的。パティシエが丁寧に折り上げるデニッシュ生地には、フランス・イズニー社の発酵バターを贅沢に使用し、本場の味わいを追求しています。

Maison Landemaine

フランス・パリに本店を持つメゾン・ランドゥメンヌの日本店。本場の製法と味わいにこだわり、伝統的なパン・オ・ショコラを提供しています。港区や渋谷区に店舗があり、本場の味を気軽に楽しめるでしょう。

パリの本店でも人気を誇るパン・オ・ショコラは、発酵バターの風味が豊かで、層の重なりが美しいのが特徴です。朝食からアフタヌーンティーまで、一日中楽しめる逸品として多くのファンを魅了しています。

パン・オ・ショコラはフランスの定番

パン・オ・ショコラは、フランス生まれの伝統的なパンとして世界中で愛されています。朝食やおやつにぴったりのこのパンは、バレンタインシーズンのギフトとしても人気。

サクサクの生地とトロけるチョコレートの組み合わせは、心もお腹も満たしてくれる特別な一品です。ぜひ近くのパン屋さんで、お気に入りのパン・オ・ショコラを見つけてみてください。