クーベルチュールチョコとは？板チョコとの違いや種類、おすすめの使い方を解説

お菓子作りに欠かせない材料として知られるクーベルチュールチョコレート。市販の板チョコレートと似ているようで大きな違いがあります。プロも愛用するこの素材の魅力を知れば、お菓子作りの世界がより楽しくなりますね。

この記事では、クーベルチュールチョコレートの定義から種類、実践的な使い方まで、初心者の方にもわかりやすく説明していきます。

クーベルチュールチョコレートとは

チョコレートには様々な種類がありますが、特に製菓用として人気なのがクーベルチュールチョコレートですね。一般的なチョコレートとは違い、特別な規格や製法で作られているため、プロの菓子職人からも支持を集めています。

まずは、カカオの風味が豊かで口溶けがよいこのチョコレートの基本的な特徴を見ていきましょう。

国際規格のチョコレート

クーベルチュールチョコレートは、国際規格で定められた厳格な基準を満たした高品質な製菓用チョコレートです。

カカオ分が35%以上（うちカカオバターが31%以上、カカオマスが2.5%以上）含まれており、カカオバター以外の代用油脂を使用していないのが特徴ですね。溶かすとサラサラとした流動性が高く、固めるとツヤのある美しい仕上がりになります。

プロの菓子職人も愛用する製菓材料として、生チョコやガトーショコラ、ボンボンショコラなど様々なお菓子作りに重宝されていますよ。

名前の由来

クーベルチュールという名称は、フランス語の「couverture（クーベルチュール）」に由来します。これは「覆う」「包む」「コーティングする」という意味を持ち、お菓子を美しく包み込むように使用されることからこの名がついたといわれています。

チョコレートの歴史が深いフランスでは、パティシエやショコラティエたちがこの素材を使って芸術的なお菓子を生み出してきました。今では世界中の製菓の現場で、その優れた性質と使いやすさから重要な製菓材料として認識されています。

クーベルチュールと板チョコの違いとは

製菓用のクーベルチュールと一般的な板チョコレートは、一見似ているように見えますが、その中身には大きな違いがあるのです。含まれる原材料や規格、製法など、それぞれの特徴を知ることで、お菓子作りの際の使い分けがより明確になります。

ここでは主な違いについて詳しく解説していきましょう。

カカオの含有量

クーベルチュールチョコレートと市販の板チョコレートでは、カカオの含有量に大きな違いがあります。

クーベルチュールは総カカオ分が35%以上と定められており、特にカカオバターを多く含んでいることが特徴です。一方、一般的な板チョコレートは明確な規定がなく、カカオ分が比較的少なめ。

このカカオ分の違いは、チョコレートの風味や口溶け、作業性に大きく影響します。クーベルチュールは豊かなカカオの香りとなめらかな口溶けが特徴で、溶かした際の流動性も優れていますね。

規格

クーベルチュールチョコレートには、国際的な品質基準が設けられているのです。

カカオバターの含有量が31%以上、カカオマスが2.5%以上という厳格な規定があり、代用油脂の使用も制限されています。対して板チョコレートには、そこまで厳しい規格はありません。むしろ食べやすさや保存性、価格を考慮して作られており、カカオバター以外の油脂や砂糖が多く使用されています。

味の違いはある？

クーベルチュールと板チョコレートでは、味わいに明確な違いがあります。

クーベルチュールはカカオ分が多いため、カカオ本来の深い風味と豊かな香りが特徴です。口に入れるとなめらかに溶け、カカオの複雑な味わいが口の中に広がりますね。一方、板チョコレートは甘みが強く、食べやすい味に調整されているのです。

お菓子作りに使用した場合、クーベルチュールは濃厚でリッチな味わいに、板チョコは比較的あっさりとした仕上がりになりますよ。

クーベルチュールチョコレートの種類とは

クーベルチュールチョコレートには、カカオの配合率や原材料によって様々な種類があります。ダーク、ミルク、ホワイトといった基本的な分類に加え、それぞれに特徴的な風味や用途があります。

お菓子作りの目的に合わせて選べるよう、代表的な種類とその特徴を見ていきましょう。

ミルククーベルチュールチョコ

ミルククーベルチュールは、カカオ成分に加えて粉乳や全粉乳を配合したチョコレートです。

乳製品の追加により、まろやかでコクのある味わいが特徴。カカオの風味は控えめですが、優しい甘みとミルキーな香りが魅力ですね。お菓子作りでは、子供向けのお菓子や甘みを活かしたデザートにぴったり。粉乳が入ることで粘度が上がるため、追加のカカオバターで流動性を調整し、コーティングなどの作業性を保っています。

ダーククーベルチュールチョコ

ダーククーベルチュールは、カカオマスと砂糖を主原料とした本格的なチョコレートです。

カカオ分が55～80%と幅広く、その割合によって味わいが変化します。カカオ分が多いほど苦みと渋みが強くなり、大人の味わいに。チョコレート本来の風味を楽しめることから、プロのパティシエに好まれている種類です。ガトーショコラや生チョコなど、チョコレートの風味を活かしたお菓子作りに大活躍しますよ。

ホワイトクーベルチュールチョコ

ホワイトクーベルチュールは、カカオバターと粉乳、砂糖を主原料とした白い色が特徴的なチョコレートです。

カカオマスを含まないため、厳密には国際規格のクーベルチュールには該当しませんが、製菓用チョコレートとして広く使用されています。ミルキーな甘みとバニラの香りが特徴で、見た目の美しさからデコレーションやコーティングに重宝されているのです。色付けも簡単なので、カラフルなお菓子作りにもおすすめですよ。

クーベルチュールのおすすめの使い方

クーベルチュールチョコレートは、その優れた性質を活かすことで様々なお菓子作りに活用できます。プロの現場でも愛用されているこの材料を使って、どんなお菓子が作れるのでしょうか。

基本的な使い方から応用テクニックまで、具体的なレシピと共に解説していきましょう。

ボンボンショコラ

ボンボンショコラは、クーベルチュールの特性を存分に活かせるお菓子です。

テンパリングを施したクーベルチュールで、ガナッシュやプラリネなどの中身を薄くコーティングすることで、パリッとした食感と艶のある仕上がりになります。流動性の高さを活かして均一な厚さでコーティングでき、口どけの良さも魅力ですね。

作る際は温度管理に気を付け、正しくテンパリングすることで、プロ級の美しい仕上がりを目指せますよ。

生チョコ

生チョコはクーベルチュールの特徴が際立つお菓子の一つです。

生クリームと合わせることで、なめらかでリッチな口どけが生まれます。クーベルチュールを使用すると、カカオの風味が豊かで、しっとりとした食感に仕上がりますよ。また、適度な固さで成形しやすく、カットした際もきれいな断面が出るのです。板チョコで作る場合と比べて、口溶けが格段に良く、プロ級の味わいを楽しめますね。

ガトーショコラ

ガトーショコラは、クーベルチュールの風味と口溶けを存分に味わえる代表的なケーキです。

バターや卵と合わせることで、しっとりとした生地に仕上がりますよ。クーベルチュールを使用すると、カカオの香り高く、濃厚な味わいのケーキが完成。カカオ分の高いダーククーベルチュールなら、より大人向けの味わいに。ミルククーベルチュールなら、優しい甘みのケーキに仕上がりますね。

コーティング

コーティングは、クーベルチュールの特性を最も活かせる技法の一つです。

流動性が高く、薄くムラなくコーティングでき、美しい仕上がりになります。固まると艶やかで、パリッとした食感も魅力ですね。クッキーやドライフルーツ、ナッツなど様々な食材と相性抜群です。

テンパリングをしっかり行うことで、室温でも溶けにくく、艶のある仕上がりになりますよ。プロの技を活かした装飾やデコレーションにも大活躍します。

クーベルチュールチョコは高級？

クーベルチュールチョコレートは一般的な板チョコと比べると確かに価格は高めですが、それには理由があるのです。

高品質なカカオバターを贅沢に使用し、厳格な製造工程を経て作られているためです。しかし、近年は家庭でも使いやすい小分けパックや、手頃な価格帯の商品も増えていますよ。

また、クーベルチュールを使用することで、プロ級の味わいや見た目のお菓子が作れることを考えると、その価値は十分にあります。お菓子作りの目的や用途に応じて、使い分けるのがおすすめですね。

クーベルチュールチョコの理解を深めよう

いかがでしたか？クーベルチュールチョコレートには奥深さや魅力があります。最初は難しそうに感じるかもしれませんが、基本をしっかり押さえれば、ご家庭でも素敵なお菓子作りを楽しめますよ。

まずは小さな挑戦から始めて、徐々にレパートリーを増やしていってくださいね。クーベルチュールチョコレートのある楽しいお菓子作りの世界が、きっとあなたを待っているのです。