アメリカーノとは？作り方や、アメリカン・ロングブラックとの違いを解説

カフェのメニューでよく見かけるアメリカーノ。エスプレッソと違うけど、普通のコーヒーとも何か違う。そんなアメリカーノの正体や魅力が気になっている人も多いはず。

この記事では似ているようで違うアメリカン・ロングブラックとの違いも含めて、アメリカーノの全てを詳しく紹介していきます。

アメリカーノとは

アメリカーノはエスプレッソをお湯で割ったシンプルなコーヒーですが、その魅力は奥深いものがあります。エスプレッソの濃厚さを残しつつ、飲みやすさを追求したこのドリンクは、世界中で愛されていますよね。

まずは、アメリカーノの特徴や由来、他のコーヒードリンクとの違いについて詳しく解説します。

エスプレッソをお湯で割るドリンク

アメリカーノは、エスプレッソに熱湯を加えて作るコーヒードリンクです。

通常、エスプレッソ1ショットに対して2〜3倍量の熱湯を注ぎます。エスプレッソの濃厚な風味を残しながら、飲みやすい口当たりに。エスプレッソの苦味や酸味が苦手な人にも親しみやすく、カフェインの摂取量を調整したい場合にもぴったりです。

名前の由来

アメリカーノという名称は、第二次世界大戦中にイタリアに駐留していたアメリカ兵に由来します。

彼らは濃厚なエスプレッソに慣れておらず、より薄めのコーヒーを好みました。そこでイタリアのバリスタたちが、エスプレッソにお湯を加えて飲みやすくしたのが始まりとされています。

この工夫が「アメリカ人向けのコーヒー」として広まり、やがてアメリカーノという名前で定着しました。

アメリカンとの違い

アメリカーノとアメリカンは名前は似ていますが、全く異なるドリンクです。

アメリカンは日本の喫茶店で見かける薄めのドリップコーヒーを指し、エスプレッソを使用しません。一方、アメリカーノはエスプレッソをベースにしています。

アメリカンは浅煎りの豆を使用し、軽やかな味わいが特徴です。対してアメリカーノは、エスプレッソの深い風味を楽しめるのが魅力です。両者は別物であり、味わいや香り、コクに大きな違いがあります。

ロングブラックとの違い

アメリカーノとロングブラックは、同じ材料を使用しますが作り方が異なります。

オーストラリアやニュージーランドで人気のロングブラックは、お湯にエスプレッソを注ぎます。一方、アメリカーノはエスプレッソにお湯を注ぎます。

お湯を入れる順番を変えるだけですが、ロングブラックの方がクレマ（泡）が多く残り、香りがより豊か。アメリカーノは均一な味わいが特徴ですが、ロングブラックは表面が濃く、底に行くほど薄くなる味の変化を楽しめますよ。

オセアニアの国ではロングブラックがアメリカーノとして飲まれています。

アメリカーノの作り方

アメリカーノは、家庭でも簡単に作れるコーヒードリンクです。エスプレッソマシンさえあれば、カフェクオリティの一杯を楽しめます。

ここでは、基本的なアメリカーノの作り方を紹介します。適切な手順を踏むことで、エスプレッソの風味を最大限に引き出しつつ、飲みやすさも兼ね備えたおいしいアメリカーノを淹れられるでしょう。

エスプレッソを抽出する

アメリカーノの基礎となるエスプレッソの抽出は重要です。

まず、エスプレッソマシンを準備し、適切な挽き目のコーヒー豆を用意します。ポルタフィルターに豆を詰め、タンピングしてから抽出を開始します。

理想的な抽出時間は20〜30秒程度で、濃厚なクレマが乗った30ml前後のエスプレッソを目指しましょう。豆の鮮度や挽き具合、抽出温度にも注意を払うと、よりおいしいエスプレッソが抽出できるでしょう。

エスプレッソの2~3倍のお湯を注ぐ

エスプレッソを抽出したら、その2〜3倍量の熱湯を注ぎます。お湯の温度は80〜90度程度が目安。熱すぎるとエスプレッソの風味が損なわれ、冷めすぎると味が薄くなってしまいますよ。

お湯を注ぐ際は、エスプレッソの上からゆっくりと注ぐのがポイントです。勢いよく注ぐとクレマが壊れてしまうので注意が必要です。お湯の量は好みに応じて調整し、自分好みの濃さを見つけていくとよいでしょう。

おいしいアメリカーノを作るポイント

アメリカーノをおいしく作るには、いくつかのコツがあります。エスプレッソの質、お湯の注ぎ方が重要です。これらのポイントに注意を払うことで、カフェで飲むような本格的なアメリカーノを自宅で再現できますよ。

ここでは、アメリカーノをよりおいしく作るためのテクニックや注意点について詳しく解説します。

濃厚なエスプレッソを用意する

おいしいアメリカーノの基本は、質の高いエスプレッソです。

新鮮な豆を使用し、適切な挽き具合で抽出することが重要です。エスプレッソは25〜30mlほどで、濃厚なクレマが乗っているのが理想的。

抽出時間は20〜30秒を目安にし、豆の種類や焙煎度に応じて調整します。エスプレッソマシンの温度や圧力も適切に設定することで、より濃厚で風味豊かなエスプレッソを抽出できます。

クレマを壊さないようにお湯を注ぐ

アメリカーノの味わいを左右する重要なポイントが、お湯の注ぎ方です。

エスプレッソの上からゆっくりとお湯を注ぎ、クレマを壊さないよう気をつけましょう。クレマはエスプレッソの風味や香りを閉じ込める役割があるため、これを保つことでアメリカーノの味わいが向上します。

お湯を注ぐ際は、カップの縁に沿ってそっと流し入れると良いでしょう。クレマを保ちつつ、エスプレッソとお湯を均一に混ぜられます。

意外に味を左右する工程なので丁寧に注ぐのがポイント

エスプレッソとお湯の割合に注意する

アメリカーノの味わいを決定づける要素として、エスプレッソとお湯の割合があります。

一般的には1:2〜1:3の比率が好まれますが、好みに応じて調整するとよいでしょう。濃いめが好きな場合は1:1.5程度、軽めが好きな場合は1:4程度にすることも可能です。

また、使用する豆の種類や焙煎度によっても最適な比率は変わってきます。自分好みの味わいを見つけるまで、少しずつ比率を変えながら試してみるのも楽しいでしょう。

アメリカーノをより楽しむ方法とは

アメリカーノは、そのシンプルさゆえに様々なアレンジが可能なドリンクです。

基本の味わいを楽しむだけでなく、ちょっとした工夫で新たな魅力を引き出せます。チョコレートとの相性や、濃さの調整、温度による味わいの変化など、アメリカーノを更に楽しむための方法はさまざま。

ここでは、アメリカーノをより楽しむためのアイデアや、飲み方のバリエーションについて詳しく解説します。

チョコレートやスイーツを合わせる

アメリカーノの深い風味は、チョコレートやスイーツとの相性が抜群です。

ダークチョコレートを添えれば、コーヒーの苦味とチョコレートの甘みが絶妙なハーモニーを奏でます。また、クッキーやマフィンなどの軽いスイーツと合わせれば、午後のティータイムを豊かに。

フルーツタルトなど酸味のあるスイーツを選べば、アメリカーノの複雑な味わいをより引き立てられるでしょう。

食事の締めくくりにも最適な組み合わせです。

ダブルショットで濃い目にする

アメリカーノをより濃厚に楽しみたい場合は、エスプレッソをダブルショットにするのがおすすめです。

通常の2倍量のエスプレッソを使用することで、より深みのある味わいを楽しめます。ダブルショットアメリカーノは、朝の目覚めや午後の眠気覚ましに効果的です。また、お湯の量を調整することで、自分好みの濃さに仕上げられます。

濃い目のアメリカーノは、ミルクを少し加えてカフェラテ風にアレンジするのもおいしいでしょう。

アイスアメリカーノで飲む

暑い季節には、アイスアメリカーノがおすすめです。氷を入れたグラスにエスプレッソを注ぎ、冷水で薄めれば出来上がります。氷の量や水の量を調整することで、好みの濃さや冷たさに仕上げられます。

アイスアメリカーノは、エスプレッソの風味を残しつつ、さっぱりとした飲み心地を楽しめます。また、レモンやライムを添えれば、より爽やかな味わいになります。暑い日の気分転換や、食事の締めくくりにぴったりのドリンクです。

まとめ:アメリカーノはエスプレッソ初心者におすすめ

アメリカーノは、エスプレッソの濃さと普通のコーヒーの飲みやすさを合わせ持つ、魅力的な一杯です。作り方や飲み方を工夫すれば、もっと自分好みの味を楽しめます。

この記事を参考に、家でも外でも、アメリカーノの奥深い味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。