カカオ農園の課題や問題|不作の原因とは何か?

カカオ農園の課題や問題|不作の原因とは何か?
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Joe

カカオ農園の問題について考えていきましょう!

カカオ不作の原因とは?異常気象と農園が抱える複合的な問題の深層

カカオ不作の原因とは?異常気象と農園が抱える複合的な問題の深層

チョコレートの原料であるカカオ豆は、赤道の南北緯度20度以内という限られたエリアで栽培される繊細な作物です。

近年、このカカオ豆が深刻な不作に見舞われ、コンビニやスイーツ専門店などでチョコレートの値段が上がっている背景の一つには、このカカオ豆の不作による価格高騰があります。

例えば、世界のカカオ生産量の約6割を占めるガーナやコートジボワールといった主要産地では、収穫量が大幅に減少しています。

日本が輸入するカカオ豆の約8割はガーナ産であり、この危機的状況は私たち日本の消費者にも直結します。

カカオ不作の原因には、環境的要因と、生産者が長年抱える構造的な課題が複雑に絡み合っています。

カカオ不作を引き起こす5つの主な要因

カカオ不作を引き起こす5つの主な要因

カカオ豆の不作の要因には、以下の5つの理由が考えられます。

異常気象による生育環境の悪化

カカオの樹が健やかに育つためには、年間平均気温27度、年間降水雨量1,000mm以上、そして直射日光を避ける半日陰を好むといった、特定の理想的な気候条件が求められます。

しかし、近年は世界各地で異常気象が起きており、人々の暮らしだけでなく農作物にも影響を与えています。

カカオの主要産地であるコートジボワールとガーナでは、2020年ごろから毎年、気温上昇による熱波や集中豪雨、そして干ばつが一部の地域を襲っていることで、カカオの樹が十分に育たず、カカオ豆の収穫量が大幅に減少する事態につながっています。

深刻な病害「カカオ膨梢ウイルス」の蔓延

異常気象の影響で樹勢が弱ったカカオの樹の間で、「カカオ膨梢(ぼうしょう)ウイルス」が広がっています。

このウイルスに感染すると、カカオ豆の収穫量が激減し、最終的には樹が枯れてしまいます。

一度感染したカカオの樹は根元から引き抜く必要があり、その後、新しい苗を植えても実がなるまでに4〜5年もの歳月がかかります。これにより、カカオ豆の安定した持続的な生産が難しくなっています。

金の不法採掘による農園の破壊

金の価格が高騰したことを受け、生活のために違法な手段で金を採掘する動きがカカオ農園にも広がっています。

また、カカオ豆の販売価格に不満を感じる一部の農家が、生活のために自らの農園の採掘権を業者に売ってしまうケースも出てきました。

採掘によって土壌が汚染されるという弊害も発生し、カカオの樹の生育を妨げ、収穫量の減少につながっています。

カカオ農家の高齢化と後継者不足

カカオ農園で働く人々の高齢化も、不作の一因となっています。

カカオ農家の仕事は、低賃金であるにもかかわらず重労働である傾向が強いため、カカオ農園の後継者不足につながっており、カカオ豆の生産そのものが難しくなる可能性をはらんでいます。

カカオ生産国の財政難による政府支援の停滞

カカオの世界的な主要生産国のなかには、財政難に陥っている国があり、農家に対する国からの支援が十分に届かない状況があります。

政府はカカオ生産を守りたいものの、資金不足が大きな障壁となっています。

カカオ生産者が直面する構造的な貧困の壁

カカオ生産者が直面する構造的な貧困の壁

不作の直接的な原因の裏側には、カカオ生産者が長年にわたり直面してきた、より根深い構造的な課題が存在しています。

これが、生産者の収入向上を妨げる大きな壁となってしまっています。

国際金融マーケットによる価格決定権の欠如

カカオ生産者が収入を上げる道筋の一つは「カカオの取引単価を上げる」ことですが、ここには構造的な課題が横たわっています。

一般的なカカオ(コモディティカカオ)は、商品先物取引の銘柄の一つであり、生産と消費の需給バランスだけでなく、国際情勢や他の投資商品の魅力度とのバランスで、投資家によって相場が形成されます。

この構造の結果、現場の生産者自身が、自らカカオの販売価格を決めることができないという根本的な問題が生じています。

次世代継承の困難さ

カカオ農園の仕事は、収穫量が気候変動に左右され、違法採掘の被害にあう心配があり、さらに賃金が低いため、カカオ農家の大人たちのなかには、子どもに農園を継がせたくない可能性も考えられます。

子どもたちからも、カカオ農園を継ぐよりも、他の仕事へ流出する傾向が強く、次世代への継承が非常に難しくなっています。

目次

カカオのために私たちができること

カカオのために私たちができること

私たちができることは、生産者を支える仕組みを持つ企業の商品を選び、持続可能な生産を支援することです。

具体的には、社会的・環境的価値の高い取り組みを通じて生産されたカカオを使用した製品を選ぶことです。

また、生産者に品質に見合った高い単価で報酬を還元する直接取引を行う企業の製品を選ぶことも意識することがカカオ農家にできる支援なのかもしれません。


【参考資料】

農林水産省「令和4年度途上国における持続可能な原材料生産支援委託事業

カカオ農園の課題や問題|不作の原因とは何か?

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