【フランス】オペラとは？特徴や作り方、食べ方やおすすめブランドなどを解説

フランスを代表する伝統的なケーキ「オペラ」は、チョコレートとコーヒーの風味が織りなす芳醇な味わいが特徴です。パリのオペラ座にちなんで作られたこの優美なケーキは、幾層にも重なる美しい断面と上品な味わいで、多くの人々を魅了し続けています。

この記事では、オペラの特徴や作り方、食べ方、さらにおすすめのブランドについて詳しく解説します。

オペラとは

フランスの伝統的なチョコレートケーキ「オペラ」は、パリの歴史ある菓子として知られています。

まずは、アーモンド生地とチョコレート、コーヒーの風味が織りなす贅沢な味わいと、その由来や特徴について解説します。

フランス発のチョコケーキ

フランスが誇る伝統菓子「オペラ」は、1955年にパリの名門パティスリー「ダロワイヨ」で誕生したと言われています。

アーモンドパウダーを使用したビスキュイ生地にコーヒー風味のバタークリームとチョコレートガナッシュを重ね、表面には艶やかなチョコレートのグラサージュをかけて仕上げます。

長方形にカットされた姿は、まるでオペラ座のステージのよう。その繊細な層と金箔で飾られた優美な装飾は、多くの人々を魅了してやみません。そんなオペラは、フランス菓子の中でも特に技術を要する逸品として知られているのです。

起源

パリの有名な歌劇場「オペラ座ガルニエ宮」への敬意を込めて名付けられたオペラケーキには、いくつかの由来があります。

オペラ座近くの老舗パティスリーで生まれたという説や、何層にも重なるケーキの構造がオペラ座の観客席を連想させることから名付けられたという説があります。また、当時のオペラ座で活躍していたバレリーナたちへの献上菓子として作られたという逸話も残っています。

金箔をあしらった豪華な装飾は、オペラ座に輝く金のアポロン像をイメージしているそうで、芸術的な魅力にあふれた菓子なのですね。

特徴

オペラの最大の特徴は、7層に重ねられた美しい断面構造にあります。

アーモンドパウダーを使用したビスキュイジョコンド生地にコーヒーシロップを染み込ませ、コーヒー風味のバタークリームとビターなチョコレートガナッシュを交互に重ねていきます。高さは3センチを超えてはいけないという決まりがあり、クリームの層を均一に仕上げるには高度な技術が必要です。

チョコレートとコーヒーの風味が絶妙なバランスで調和した味わいは、大人のための贅沢なスイーツとして愛されています。

食べる時期

オペラは特別な日のデザートとして親しまれていますが、実は季節を問わず楽しめます。

ただし、生クリームやバタークリームを使用しているため、夏場は温度管理に気を付けましょう。チョコレートとコーヒーの芳醇な香りは、寒い季節に特に心温まる味わいを演出してくれます。

クリスマスやバレンタインデーなどのイベントシーズンには、贈り物としても喜ばれる一品なんですよ。また、大切な方とのティータイムや、記念日のデザートとしても素敵なチョイスになるはずです。

オペラ以外のチョコケーキの種類とは

フランスの伝統菓子オペラ以外にも、世界には様々な魅力的なチョコレートケーキがあります。ブッシュドノエルやテリーヌショコラ、ザッハトルテなど、それぞれに異なる特徴と魅力を持つチョコレートケーキの種類について、その特徴や味わいの違いを解説します。

ブッシュドノエル

フランス語で「クリスマスの丸太」を意味するブッシュドノエルは、切り株の形をしたロールケーキです。

しっとりとしたチョコレートスポンジに生クリームを巻き、表面はチョコレートのクリームで木の皮を表現します。マッシュルームや葉っぱなどの飾りも、見た目の楽しさを演出する大切な要素。クリスマスの食卓に欠かせない、季節感あふれる愛らしいケーキとして親しまれているんですよ。

テリーヌショコラ

濃厚なチョコレートの風味が特徴のテリーヌショコラは、フランス料理のテリーヌから着想を得た長方形のケーキです。

生クリームやバターを贅沢に使用し、なめらかで口どけの良い食感に仕上げます。ワインに使われるような高級なカカオを使用することもあり、大人の味わいとして知られています。冷やして食べると、より一層チョコレートの風味が際立ち、濃厚な口当たりを楽しめるんですよ。表面にはココアパウダーをふりかけて、シンプルながら上品な仕上がりに。

ザッハトルテ

ウィーンの老舗ホテル「ザッハー」で生まれた伝統的なチョコレートケーキです。

チョコレートスポンジにアプリコットジャムを挟み、全体をチョコレートでコーティングした王道の味わい。スポンジはしっとりとしていながらも、しっかりとした食感があり、フルーティーなアプリコットジャムとの相性は抜群です。コーヒーと一緒に楽しむのが定番で、ウィーンのカフェ文化を代表する看板メニューとして世界中で愛されています。

フォンダンショコラ

温かいチョコレートケーキの代表格であるフォンダンショコラは、外はしっとり、中はとろけるような食感が魅力です。

生地の中心にチョコレートを閉じ込め、程よい加熱で外側だけを焼き上げるため、カットすると中からとろりとチョコレートが流れ出します。バニラアイスクリームを添えて温かさと冷たさのコントラストを楽しむのがおすすめ。作るタイミングが難しい反面、その驚きと満足感は格別で、多くのレストランでも人気メニューです。

タルトオショコラ

サクサクのタルト生地となめらかなチョコレートガナッシュの組み合わせが絶妙なタルトオショコラ。

フランス語で「チョコレートのタルト」という意味を持つこのお菓子は、シンプルながら奥深い味わいが特徴です。上質なチョコレートを使用したガナッシュは、口の中でゆっくりと溶けていき、バターの香り豊かなタルト生地との相性も抜群。表面にはカカオパウダーをふりかけたり、フランボワーズを添えたりと、見た目も華やかに仕上げることができます。

オペラの作り方とは

オペラは見た目の美しさと繊細な味わいで知られる伝統的なフランス菓子です。家庭でも作れますが、層を均一に重ねるには技術と時間が必要です。

ここでは、基本的な材料と手順、成功のためのコツについて詳しく解説します。

材料（7×3cmの長方形8個分）

• 【ビスキュイ生地】
  • 卵1個
  • アーモンドパウダー30g
  • 薄力粉35g
  • 粉糖30g
  • 卵白2個分
  • 砂糖30g
• 【シロップ】
  • 砂糖15g
  • 水70cc
  • インスタントコーヒー小さじ2
  • ラム酒小さじ1
• 【バタークリーム】
  • 無塩バター50g
  • 卵黄1個分
  • 砂糖30g
  • 牛乳60cc
  • インスタントコーヒー小さじ1
• 【ガナッシュ＆コーティング】
  • ビターチョコレート150g
  • 生クリーム40cc
  • 無塩バター35g
  • 金箔適量

手順

1. ビスキュイ生地の作成
   • 卵に粉糖とアーモンドパウダーを加えて混ぜ合わせる
   • 別ボウルで卵白を泡立て、砂糖を加えてメレンゲを作る
   • メレンゲと薄力粉を交互に加え、生地を完成させる
2. シロップの準備
   • 砂糖と水を煮立て、コーヒーを溶かす
   • 粗熱が取れたらラム酒を加える
3. クリーム類の作成
   • バタークリームを作り、コーヒーで風味付け
   • チョコレートガナッシュを作る
4. 組み立て
   • 生地を3等分し、シロップを染み込ませる
   • バタークリーム、ガナッシュを交互に重ねる
   • 表面をチョコレートでコーティング
   • 金箔を飾って完成

注意点

オペラ作りで最も大切なのは、各層を均一に仕上げることです。生地にシロップを染み込ませる際は、全体にムラなく浸透させましょう。バタークリームやガナッシュを塗る時は、端までしっかりと広げ、厚さを揃えることがポイントです。

また、層を重ねる際は生地を慎重に扱い、崩れないように注意が必要です。チョコレートのコーティングは温度管理が重要で、50度程度に温めた状態で一気に流し入れるのがコツ。カットする時は包丁を温め、一回一回拭きながら切ることで、美しい断面が作れますよ。

オペラのおいしい食べ方とは

優雅な味わいのオペラを、より一層おいしく楽しむためのポイントがあります。ここでは、オペラの魅力を最大限に引き出す食べ方や、おすすめの組み合わせについて解説します。

断面を楽しむ

層の重なりが美しいオペラは、まず目で楽しむことから始まります。

ビスキュイ生地の黄色味、バタークリームのコーヒー色、チョコレートの艶やかな茶色が織りなす断面は、まるで芸術作品のよう。ケーキを斜めから見ると、層の重なりがより際立って見えます。また、フォークで切った時の、なめらかな食感の変化も、オペラならではの楽しみ方なんですよ。

エスプレッソやブラックコーヒーといただく

オペラの優雅な味わいを引き立てる相性抜群の飲み物は、やはりコーヒーです。特にエスプレッソやブラックコーヒーは、オペラに含まれるコーヒーの風味と見事にマッチします。ケーキの甘さとコーヒーの苦味が絶妙なバランスを生み出し、より大人の味わいを楽しめます。

また、紅茶と合わせるのもおすすめ。アールグレイなど香り高い紅茶を選ぶと、チョコレートの風味がより一層際立ちますよ。

オペラが有名なおすすめのブランドとは

日本でも本場フランスの味わいを楽しめる、評価の高いオペラを提供するパティスリーを紹介します。伝統的な製法と独自のアレンジで、それぞれに個性的な味わいを提供するブランドについて見ていきましょう。

ダロワイヨ

オペラ発祥の店として知られるダロワイヨは、1802年創業のフランスを代表する老舗パティスリー。7層からなる伝統的なオペラは、コーヒー風味のバタークリームとチョコレートガナッシュの絶妙なバランスが特徴です。日本でも本場の味を楽しめる人気店で、パーティーサイズから食べやすい一口サイズまで、様々なサイズを展開しているんですよ。

ジョエルロブション

パリで3つ星レストランを営み、世界中で高い評価を得ているジョエル・ロブションのパティスリー。そのオペラは、厳選されたカカオ豆を使用したチョコレートと、香り高いコーヒーの風味が特徴です。クラシックなレシピを守りながらも、現代的なエッセンスを加えた味わいは、多くのファンを魅了しています。一流シェフのこだわりが詰まった逸品は、特別な日のデザートにぴったりなんですよ。

パティスリーSATSUKI

ホテルニューオータニ内にある「パティスリーSATSUKI」のオペラは、コロンビア産カカオを使用した濃厚な味わいが特徴です。全8層に重ねられたチョコレートガナッシュとアーモンド生地、バニラ風味のクリームが織りなすハーモニーは絶品。なめらかな舌触りと、食感の変化を楽しめる洗練された一品として人気を集めています。ホテルならではの上質な味わいを、ぜひ体験してみてください。

オペラは濃厚で上品なチョコケーキ（まとめ）

オペラは、チョコレートとコーヒーの風味が見事に調和した、フランスを代表する伝統菓子です。複雑な層構造と繊細な味わいは、多くのパティシエを魅了し続けています。ご紹介した専門店で本格的な味を楽しむのはもちろん、ご家庭でも作れる魅力的なケーキです。特別な日のデザートとして、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。